funukekunの日記

日々のつぶやきを書きます

おふざけの暴力性

 帰り道、小学生を見かけた。仲の良さそうな2人だ。それとなく見ていると、片方がもう1人の腕を傘袋で思い切り叩いていた。ぺしっ!という音が出るほど強く、何度も、何度も。相手の子が痛い!といっても笑いながら叩いていた。その後、彼らとは道を違えてしまったから彼らがどのようになっているのかはわからない。ただ、これかなり危なっかしくないか。 

 私は幼い頃、机で寝ていた所に思いっきり他の机をぶつけられてその間に膝の皮を挟み、怪我をした事がある。その跡は今になっても消えていない。

 私の例は些細なことであるが、「おふざけ」は本当に洒落にならない物が多い。椅子を引くイタズラなどが代表的だろう。面白がってやった事が相手の将来に大きな傷をつけてしまう可能性がある。

 傘袋で叩く事がそんなに危ないか?という疑問があると思うが、私はそんな事を言いたい訳じゃない。傘袋で叩くという「暴力」が「おふざけ」という形で許されているのが恐ろしいのだ。

 「おふざけ」の範疇で留まっていればいいが、その範疇を超えた瞬間、それは事故になり、加害者と被害者が生まれる。「おふざけ」に「暴力」が含まれている事に対する怖さはここだ。些細な暴力でも痛いものは痛い。それ故に暴力をおふざけにしてしまうとその境界が曖昧になり、いつラインを超えるのかわからなくなる。小学生など、まだ暴力の概念を捉えきれていない人にとってはよりそうであると言えるだろう。どのくらいの強さで殴れば怪我をするのかよく分かっていない彼らは、相手を傷つけて初めて、それがおふざけでなく暴力だと気がつく。力加減もわからない状態の暴力を受けた相手はどんな損害を背負う事になるだろうか?

 おふざけに内包された暴力は、単純な暴力よりも恐ろしい事がある。「おふざけ」はそれを踏まえてやるべきだろう。